考えを断ち切り、ソファーから立ち上がる。


「俺、そろそろ家戻るわ。」


「見てかないの?」


桜の視線が画面から俺へと移される。


「あぁ、じゃあな。」


桜と目も合わせず、抱きしめる代わりに

頭をポンポンと優しく叩いて部屋を出る。


「明日も食べにいらっしゃいね。」


「うん。」


「これ、直ちゃんに。温めて食べてって。」


微笑みながらおばさんが

夕食のハンバーグを差し出す。