それからしばらく経った頃。


本格的に梅雨に入り、

湿気と蒸し暑さと戦う毎日。


あの日様子がおかしかった吉田は

何事もなかったかのように今まで通りだ。


普通に話すし、よく笑う。



「ねぇ、春輔。

今度夏祭りあるよね?一緒に行こう。」


もう、そんな時期か。


と思う。



毎年恒例の近くの神社の夏祭り。


幼い頃は桜と2人、浴衣を着て

連れられて行ったけど、最近は行かなくなった。


久しぶりに行ってみるのもいいと思い、

吉田と一緒に行くことにした。