「ねぇ、今日は久しぶりに春輔の部屋に行きたい。」


何も知らない吉田が俺の腕を掴んで言う。


「あぁ、いいけど、何もねぇよ?」


「うん、いいの。」


"早く行こう"と急かす彼女と2人、

自転車に乗って家へと帰る。



鍵を開けて家に入ると

ココアが尻尾を振りながら出迎えてくれる。


「ただいま。」


と、頭をヨシヨシしてやる。