慎吾とは長い付き合いだ。


唯一俺の『本当の気持ち』を知っている人物でもあり、


普段はふざけてばかりいるが、


なかなか頼りになる奴だ。



出欠を取り終え、

じっちゃんが教科書を手に取り、授業を始める。



それとほぼ同時に背中に何かが触れる。


俺の後ろの席。


「ハル。」



桜だ。


細く長い指で俺の背中を突く。