「あっ!!ハル、おかえりぃ。」


あの頃と少しも変わらない笑顔で俺に微笑む彼女は、

幼なじみの"結木 桜"(ゆうき さくら)。



お母さぁん 、ハル帰って来たよぉ。




と、お風呂上がりのいい香りを漂わせながら、

透き通った柔らかい声で言う彼女の後ろから

いつものように家へと入る。


俺の家の隣にあるこの結木家は、

俺の第2の家のようなもの。

幼い頃から毎日のように出入りしているからか、

もうどこに何があるのかもわかる。

親父さんもおばさんもとても良い人で、家族同然だ。

もちろん桜も。