それから後ろに回り、手取り足取りで教えてやる。


手と手が触れる。


桜との距離が近い。



このまま矢と弓を放り出して抱きしめられたら…



一瞬頭をよぎった考えを押さえつけ、矢を放つ。


矢は的まで届かず落ちる。


「当たんなかったね。」


振り返り桜が言う。


「あぁ、失敗だな。」



当たり前だ。


桜の事ばかり考え方て、矢に集中してなかった。


できなかったのだ。