「わかんのか?」


「…わかんない。」


また、桜は小声で答える。


相当参っているようだ。

きっと昨日の夜は遅くまで頑張ったのだろう。

凄く眠そうな目をしている。


「しょうがねぇな、俺が教えてやるよ。」


「えっ!?でも、ハル朝練あるでしょ?」


「朝練しながら教えてやるよ。」


「いいの!?」


凄く嬉しそうに言う桜。


そうと決まれば!!と、


少し自転車のスピードを早める。



嫌なはずがない。


こんな朝早くから一緒にいれるんだぞ?