「ちゃんとつかまってろよ!!」


「うん。」


桜の返事を聞いてから、勢いよくペダルを踏み込む。


一瞬フラッとした後、バランスを取りながら

ゆっくりとペースをあげていく。

まだ少し冷たい風が肌をかすめる。



「で?何でこんな早いんだよ?」


後をチラッと見て、もう一度聞く。



「あのね…英語の宿題今日まででしょ?

それ、全然出来てなくて…。

だから、早く行ってしようと思って。」


恥ずかしそうに小声で桜は呟く。