「やべーーー。球どこ行った?」
みんなが探し始めた。
今日に限って球を1つしか持ってきていないらしい。
「俺。あっち探してくるわ。」
打った球の方向に行ってみた。
そこは木々に囲まれた噴水があった。
こんなに暑いのになんか涼しい。
そんなことを思いながら探し続けた。
「あの。」
小さな声が俺の後ろから聞こえた。
俺は声の方に振り向いた。か
ベンチのそばで女の子が立っていた。
ドキッ!
え。なんだ?いまの。
「もしかしてこれを探してるんですか?」
そう女の子は遠慮ぎみに言いながら手の中の物を差し出してきた。
小さな手の中にあったのは俺がさっき打った球があった。
「あ。ありがと!」
俺は球を受けとった。
「いいえ。」
そう小さく言い、女の子は優しく微笑んだ。
ドキンっ!
まっ!まただ。なんなんだよ。
ずっと日なたにいたから疲れたのかな?俺。
まだガキだった俺はそんなこと本気で思ってたけど本当は
おまえに
一目惚れだったんだ。

