玄関には見覚えのある人が立っていた
 

「一ヶ月お世話になります村橋ですが…
っ…?!」


 「ゆ、唯翔?!何であんたがここに?!?!」


「それはこっちのセリフだよ…なんでお前が居るんだよ てか寒い。中入れろ。」


 「えぇ、ちょ……」


私は思いもよらず玄関の壁にしがみついた


 (え、なんで。お母さん小さい子だって…ま、まぁお母さんは人一倍背が高い。でも…)


 と、考えている暇もなく。


 「おい、井上」


    「はい?!」

私はびっくりして変な声をあげた

 「お前…なんて声してんだ」

 クスっと笑われた事に気が付き

 
 「う、ううるさい!!何?!」


「あぁ。悪りぃちょっと呼んでみただけ」


 「じゃ呼ぶなよ!!」


「そんなこといいから部屋案内してよ?」


 妙にニヤけている唯翔に嫌な予感がしつつ部屋を案内した。



 「ここが唯翔の部屋。好きに使って構わないから。」


 部屋から出ようとしとき急に腕を引かれ壁に押し付けられた


 「... っ な、何?」

(顔が近い…)


 「お前俺に怯えてんの?」


「そ、そんなわけないじゃん!」


 私は唯翔を押しのけ部屋を出た。
(な、何なんだろう。)


 唯翔は一人呟いた。 「素直じゃないやつ」


こうして私の唯翔との同居生活が始まったのだった。