遼誠は爽やかな顔に戻り、笑う。


「そっか!

気にすんなって!

なんか、そう言ってもらえると嬉しいからさ……

じゃあ、行くか?
刹那のお母さん、こっち見てるしな?」


その言葉に驚いて刹那が後ろを振り返るとカーテンが動いていた。


「わっ、最悪……

り、遼誠!早く言ってよ!
見られちゃったじゃん!!




わたし、
なんでこんなドキドキしてるの!」


ブツブツ言いながら、遼誠の手を引っ張って、人混みの中へ紛れ込んで行く。

その焦っている刹那を見て、遼誠は胸の鼓動が大きくなり、この手をずっと離したくないと強く思った。