「来た……



最悪……!!

着替え直す時間もありゃしない…」


お母様は指を楽しそうにパチンッと鳴らして、


「ナイスタイミングね!

それに、家の前なら待ち合わせも何もないじゃない!
時間も余裕だし!

あら、遼誠君もオシャレじゃない!

ほら、言った通りだったでしょう!
危なかったわね?


篠原、開けてちょうだい」


お母様は誇らしげに笑う。


「かしこまりました!


行ってらっしゃいませ!

たくさん楽しまなければ損ですよ?
せっかくの青春が台無しになっちゃいますよ!

お嬢様!」


「わたし、篠原嫌い…」


「えっ……」


「あら、心配しないで?
私は、篠原のこと気に入ったから!」


「ありがたきお言葉!」


「ほら!行ってらっしゃい?」


っと、刹那の背中をポンっと押した。