優しそうに微笑んで壁によっかかりながら立っている女の人がいた。

どこか、刹那に似た面影がある。


そう思っていると、女の人が口を開き始める。


「はじめまして、泉山君。

驚かせてごめんね。



刹那の母親です。よろしくね。






そこに立っていないで、そこの席にお座りになって。



あなたとは、少しお話がしてみたかったのよ」


刹那の母親が優雅に席を指差して言う。



遼誠は緊張しながら軽く礼をして席に座る。





すると、メイドがやって来てお茶とお菓子が用意される。








しばらく、沈黙が続く。





お茶を飲む音だけが、響く。