「…え?」





遼誠は、目を点にしながら立ち尽くす。


「なんすか?あれ」


刹那が車の前に立つと、車の中からエンビ服の様なものを着ているおじさんが出てくる。


そして、刹那の前でお辞儀して車の扉を開ける。



「お帰りなさいませ。

お迎えが遅くなって申し訳ございません。

お身体は、大丈夫ですか?




・・・・・
刹那お嬢様」


「いつも、ありがとう。


えぇ、大丈夫よ。

やっぱり、この日はダメね。
今日は家で安静にするわ。




急に呼び出してしまって、ごめんなさいね」


「お気になさらず。

お嬢様。


ささ、風邪を引きます…!

早く車の中へ…」


執事らしき人にそう言われ、車に乗り込もうとしたが刹那は立ち止まる。


「そうだ…」


目を見開いて驚いている遼誠の方を向く。


「さっきは、ありがとう。



助かりました」



刹那は、軽くお辞儀して車に乗り込んだ。