その時、刹那の肩がピクッと動く。
「何のこと?
わたしに秘密なんてありませんけど…」
俯き胸の前で手をギュッと握りながら話す。
遼誠はその様子を見て軽く呟くように言う。
「刹華……」
刹那は、はっと顔をあげる。
その途端、先生が入ってくる。
「坂下!!
大丈夫か?!
お迎えが来てくれたぞ!!」
「あ、先生、ありがとうございます。
授業を中断した挙句、ご迷惑おかけしてすみません」
「おぉ!気にするな!
体調悪いなら無理するなよ?
お礼なら泉山に言ってくれ
って…
そこにいたかっ!
泉山、悪いな!助かった!!」
そして刹那が帰る用意をして保健室を出ると、黒い豪華そうな車が学校の前に止まっていた。



