くまさんといっしょ

「昼飯、できたぞ。」

洗濯もひととおり終わり、部屋の片づけもめどが立った時、熊の声が聞こえてきた。

時計をみたら、お昼を少々過ぎた時間。

手を洗ってテーブルにつくと、美味しそうなごはん達。

「わぁ!これ、あの魚だね?!」

あれだ、あれ。

アカマンボウ!

「いっただきまーす!」

今日は一緒に食べる熊に言うと、一言

「食え。」

と返ってきた。

すごいよ。

今日のおかずは魚の煮付けと筑前煮、海藻サラダ。

お味噌汁にはキノコが色々入っている。

ううぅ。

おいしいよう。

彼氏の胃袋を掴むって、わかるわぁ。

こんなおいしいご飯、いっつも作ってくれるなら、彼女にしちゃうよね。

「ねぇ、高峰さんって、料理いつからしてるの?」

「大学入って、一人暮らし始めた時から。」

「すごいよねぇ。おいしいねぇ。」

ふっと笑うと、満足そうにこちらを見る。

「まぁ、あれだ。俺の場合、柔道の為に色々やってたからな。」

あぁ、そうか。

こいつはつい最近まで、柔道を本気でがんばっていたんだ。

「食べ物は、大事だぞ。」

うん。そうだね。

それでもオリンピックに行けなかったんだね、という言葉はお味噌汁と共に飲み込んだ。