くまさんといっしょ

ごはんを食べた後、お礼にお皿くらい洗おうかと申し出てはみたけれど、皿を割られたくないという熊の強い意志、及び私のお風呂に入りたいという強い欲求により、お風呂を借りることとなった。

お風呂上りに先ほどのヌベアを再び顔にすりこみながら、考える。

今日は何の予定もないし、どうしようかなぁ。

洗濯しないと来週着るものないから、取りあえず、洗濯かな。

あ、あと、掃除もしないと、このままでは汚部屋一直線だ。

リビングに戻り、キョロキョロと熊の部屋を見回してみる。

床に洋服なんて落ちてないし、部屋の隅にほこりも溜まってない。

ローテーブルの上にはテレビやエアコンのリモコンと、今日の新聞と私のお茶が入っているカップのみがのっている。

それぞれの物があるべき場所にきちんとおさまっている。

いつ掃除してるんだろう。

熊の残業時間も結構あるはずなのに。

「おまえ、今日なんか予定あるのか?」

手を拭きながら、熊がこちらに向かってくる。

「んー。出かける予定はないけど、家に帰って洗濯したい、かな。」

「ん。わかった。」

そのまま寝室へと向かう熊。

どうしよう。

帰ろうかな。

熊は予定ないのかな。

あ!あいつ、彼女とかいないのかな。

いるとしたら、女が、いくら単なる同僚とはいえ、染色体XXが彼氏と一夜を過ごしたなんて知ったら、嫌だよね。

「たっ高峰さん!彼女とか、いる?」

「あ?なんだいきなり。いねーよ。」

ほっ。

よかった。

とりあえず、いたかもしれない彼女に責められる局面は回避された。

「じゃ、私、帰るね。」

「送ってくよ」

寝室から出てきた熊が車の鍵をチャラチャラさせながら、紳士的な申し出をしてきた。

「わ、いいの?ありがとう」

わーい。やっぱりコイツ、いいやつだ。