それは、

今から

20年前以上の昔。

グアム島だった。


6月。

まだ梅雨入り前。

遠隔地の友人と現地合流する事になった。

私は成田から。

友人は大阪伊丹空港から。

成田を夜10時過ぎに出発する。

飛行機に乗るのも初めてだ。

そんなワクワク感に水を注される。

サラリーマン風中年男に絡まれた。

明らかに酔っ払い。

悪人ではなさそうだ。

機内は空いており、その男もそばに着席。

離陸後、隣に寄って来る。

とりとめのない話をしている。

「着いたら俺の所に遊びに来い」

名刺をもらう。

やがてグアムに着陸。

もう夜中の1時を過ぎている。

その男と別れ、入国管理手続きに向かう。

いやはやこの先が思いやられる。

空港の外に出る。

これが熱帯気候か。

空気が湿って生暖かい。

宿泊先の送迎バスに乗る。

チェックインは夜中2時を過ぎた。

宿泊は、略称PIC(パシフィックアイランドクラブ)という、リゾート施設だった。

友人は先に到着していた。

4泊5日の初日は寝るだけだった。