君といる幸せ





「私にお連れ様を紹介してはくれないんですか?」

「……ハァ~…。こちらの女性は、一ノ瀬柚姫さん。俺の高校の後輩で、今1年生」

「は、初めまして…」

「柚姫。こちらが、このホテルの支配人である、長谷部」

「お初にお目にかかります。当ホテル支配人の長谷部です。以後、お見知り置きを」

「は、はい。よろしくお願いします









柚姫は緊張した面持ちで、やっとのことでそう答えた。









「長谷部はうちの親父と幼馴染でさ、昔からここは雨宮家の馴染みの店なんだ」

「そうなんですね」

「律様がこちらに女性をエスコートして来店される日がくるだなんて、嬉しい限りです」

「……また大袈裟な」

「いいえ、大袈裟なんかではありません。お父様から聞いていた話では、そんな日は来ないかもしれないなどと笑いながら話されてましたからね」

「……親父め……」

「先程も、創様がいらっしゃって……」

「…兄貴も?」

「はい。ご婚約者様といらっしゃってます」

「……まさかと思うけど、兄貴に俺が来ること伝えた?」

「いいえ…伝えていませんが…」

「なら、そのまま黙っといて」

「……よろしいんですか?」

「いい。俺が来てることを言ったらどうせ、この状況をからかいに来るだろうし…」








律は心底嫌そうな表情で、長谷部にそう答えた。
そんな律の言葉に、長谷部は苦笑いしながらも、言葉を続けた。