「ねぇ、お姫様に会ったら聞いてみたかったことがあるんだけど…」
「何ですか?」
「君はさ、どうして律と頻繁に会ってるの?」
「えっ?」
「いや、単純にどうしてかなぁ~って思って。ほら、律って女の子には冷たいじゃん?茶道の稽古のためとは言え、よく2人で一緒に居られるなぁ~って気になってたんだよね」
「律先輩は優しいですよ?」
「優しい?」
「はい」
「アイツ、冷酷王子様って呼ばれてるのに?」
「はい。律先輩は優しい人です。私は自分で見たことしか信じないようにしているんです」
「そっか。それなら安心して、律のことを任せられる。どうしても律や俺の周りにいる女の子は、ブランド目当てで近寄って来るからね。でも、君は違う。噂話なんかに囚われず、本来の律のことを見てくれている。それなら俺はもう何も言うことはない。アイツのことよろしく頼むな」
「はい」
「…それと、もし律のことで困ったことがあったら、俺に何でも聞いて良いから」
「えっ?」
「…だって、お姫様はアイツのこと好きなんでしょ?」
「えぇっ!?な、何で、そ、それを…」
隼大の言葉に、柚姫は顔を真っ赤にして慌てていた。
そんな柚姫の姿に、隼大は微笑んで見ていた。

