「律、お前夏休み忙しいの?」
「まぁまぁ普通だと思うけど…」
「なら、空いてる日あったら遊ぼうぜ?」
「………気が向いたらな」
「マジで!?俺、てっきり断られるかと思ってたんだけど」
「…まぁ、たまにはな」
「詳しいことは連絡するわ!じゃぁな!」
律の言葉が余程嬉しかったのだろう。
隼大はそう言うと、スキップしながらルンルンで教室を出て帰って行った。
そんな隼大の姿を、あかねは苦笑いしながら見ていた。
「何、あの浮かれよう」
「さぁ?」
「余程、律と遊べることが嬉しいのね」
「……そんなに喜ぶことか?」
「まぁ、普段の律はドライだからね~。今の律を例えるなら、ツンデレで言うとデレの部分よ」
「………」
あかねに言われた律は、嫌そうな表情をしていた。
そんな律に対して、あかねは終始微笑んでいた。
「何が律をそうさせているのかはわからないけれど、良い傾向なんじゃないの?今までだったら、そんなことはなかったでしょう?」
「……隼大にも言われた」
「ちょっとした変化だけど、律に近い人間には分かるわ」
「………」
「何だか納得がいってないようね」
「別にそう言うわけじゃ…。ただ、自分でもよく分かってないのに、他の人間から言われるっていうのが複雑……」
「そのうち律にも分かる時が来るわよ。さぁ、帰りましょう」
あかねにそう言われ、律は納得がいかなかったものの、家に帰ることにした。

