【未来 side】

「ねむ〜い……授業終わった…………」
 8月の暑い日が差しこむ、この教室。
 授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り、眠たい目をこすりながら、私は自分の席を立ちあがった。
 私は橋本未来。いたって普通の女の子。
 背は周りに比べると結構高めで、みんなから優しいとか可愛いってよく言われるかな??
 ちなみに彼氏いない歴=年齢。
 いや。告られないってわけじゃなくて、男が嫌いっていうか苦手だから。
「み、未来ちゃん!呼ばれてるよ!」
後ろからクラスメイトに肩をたたかれて、振り返る。もちろん女子ね。
「え?………誰に??」
 うぅ、今から帰ろうとしてたのに……。
 誰に呼ばれたのか名前を聞いたら、その子は怯えた表情をして言った。
「紫堂…玲音……さん」
 ………さん付け??ってことは、先輩??
 知り合いにそんな人いたかな………??