無口、というか読唇術な男子くん

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それから数分たったのだがなかなか来ない。

佐幸の部活は7:00までだから余裕あるけど…。
あ、佐幸って子は僕の親友ね。
名字は月婆(ツキバ)、合わせると月婆佐幸だよー。


…、来ました市藍君。
そしてなにをもっているのかな?


「市藍君、それはなに?」

「……………(服)。」

「服は分かるけど…、
 男物だよね、その服。
 って、持ってきて大丈夫なの?」

「……………(手芸部だから平気)。」


いやいや、市藍君よ。
大丈夫なのは良かったが何故その服を僕に?


「えーと…、その服をどうしろと?」

「……………(井吹が着る)」キリッ!


………。



いやいやいや!!


なんでそうなる!?て、え?
市藍君ってそういうキャラ?

無口って聞いてたけどただ単に声出さない男子だったし、真顔で着てほしい服を僕に頼む人だったよ!?

なに?ギャップ萌えってやつ?
いや別に萌えてないし。
むしろ驚きです、はい。


って、そんなことよりも!
なんか、なんか返事返さなきゃ!!


「あの…、ごめんなさい。」


………………。


っ!しまったあぁぁ!!
なに言ってんの僕!
そこは[いいよ。市藍君がいいなら。]だろぉ!

あぁ、どうしよ。
市藍君この世の終わりみたいな顔してる(汗)


「あ、市藍君?」

「……………(ごめん)。」


い、犬耳が…涙目の子犬がいる!?
ど、どどどうしよ!
ちょっ!市藍君しょんぼりしながらクラスの中に入ってちゃったよおぉぉ!!


「い、市藍君…。」


ごめんよおぉぉ!!


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