運命的な出逢いが、人生に一度は必ずあると、僕のおじいちゃんがいっていた。

12歳の春。
僕はその言葉の意味を知った。


僕のおじいちゃんは去年の冬、自然死した。
何でも雪が降っていると、車椅子を動かして外に出たら、なぜか眠たくなってしまってそのまま天国へ行ったそうだ。

僕はその時、いとこの家に遊びにいってたから詳しくは知らない。おじいちゃんが死んじまったのだって、未だに信じられない。


ただ、そのおじいちゃんが残したものが一つだけあった。

僕に向けての手紙。
お誕生日に渡すつもりだったらしいことが文面から何となくわかった。