(完)幸せ……だった?

それからというもの、段々と病魔が


彼女の体を蝕んでいく


体力もなくなり、食べることも出来なくなり、喋れなくなっていった



「ご……めん…………ね」



謝らないで、もう……居なくなるみたいなこと



しないでよ……



「もう……無理…………みた……い」



違う……違うよ


まだ生きれるよ。笑って


ほら、いつもみたいに笑って


「あり…………がと」



そう言って息を引き取った



周りが泣いているのに


私はただ立ちすくむだけだった


医者が、慌ただしく動いているのに


何か言ってるのに、何も聞こえなかった


私はずっと、彼女を見ていた


幸せそうに、穏やかな顔で笑っている


そんな感じがした―…