あいつがいい。



家から出てきたその人に、目を疑った。


「優花…っ!」


ずっと。


ずっとずっと、呼び続けてた名前。


…俺の、大好きな人。


「晃…ちゃん?」


「そうだよ」


「何で、何で…っ」


「落ち着け」


泣きそうな優花を抱きしめようとすると。


思いっきり突き飛ばされた。


「ご、ごめん…っ」


言葉が、出なかった。