あいつがいい。



佑希の話を聞いた俺は、すぐに家を飛び出して、とにかく走った。


「くそ…っ」


病み上がりの体では正直きつい。


でも。


そんなこと言ってる場合じゃない。


歩いてるヒマはない。


早く。


少しでも、早く。


会わなければいけない人がいる。


たとえ、その人が俺を待っていなくても。


それでも。


守るって決めてたから。


もし嫌がられたとしても。


俺は、譲れない。