「好きな人、いるんでしょ」


「……」


…分かったように言うな。


「彼女じゃ、ないのよね?」


「…黙れ」


これ以上こいつといたら、危ない。


「私じゃダメ?」


教室に、誰もいない。


助けを、呼べない。


更に距離を近づけてくる女に、俺の体は動かない。


…なぜなら。