優花をからかったとき。


俯いてたその表情が、困っていたのを。


ちらりと、見てしまったから。


…なんとなく、分かった。


ずっと隣で見てきたから、嫌でも気付くよ。


だから。


もうすぐ俺の恋に終止符が打たれるのかな、なんて。


そう思えば、苦しくて。


この行き場のない想いは、どこに行くんだろう。






見上げた空は、分厚い雲に覆われて。


月も、星も、何も見えなかった。