あいつがいい。



「楽しかったね!」


帰り道、優花が手をぶんぶん振る。


ちょっと、痛い。


「…うん」


「花火も綺麗だった!!」


どうやら興奮が収まらないらしい。


ちっさいガキみたい。


思わず、笑いが零れる。


「え、何笑ってるの」


不思議そうに俺を見つめる優花。


「…別に」


「教えてよ。気になる!!」


そんなに気になるの。


…じゃあ、教えてあげようか。