あいつがいい。



「髪、乾かして」


甘えたい気分なのか。


俺はそう言って優花の隣に座る。


「もー子供じゃないでしょ」


「……」


まだ、子供だよ。


大人なんて、呼べないよ。


どうしたら、大人になれるの。


「身長高いから出来ない」


ぶつぶつ言いながら、立ってすることにしたらしい。


「ほら、乾いたよ!」


しばらくして、そんな声が聞こえた。


いつの間にか閉じていた目を開ける。