あいつがいい。



「じゃじゃーん」


その声とともに、机の上にケーキが登場した。


「……」



見た目は、悪くない。


見た目は、おいしそう。


「切るから待ってて」


包丁の持ち方がこわい。


内心ひやひやしながら見守る。


「はい、どーぞ!」


数分後。


なんとか形を保ったまま。


切られたケーキがフォークとともに置かれる。