あいつがいい。



「晃ちゃん」


どたばたと玄関まで来た優花。


何か問題があるのかと心配してたけど。


どこか嬉しそう。


不思議に思いながら優花を見る。


「どうしたの」


「あ、うん!とりあえず上がって」


「…お邪魔します」


甘い匂いがする。


「晃ちゃん、お誕生日おめでとう!」


「は?」


…誕生日?


今日の日付を思い出して、納得する。


すっかり忘れてた。