「晃ちゃんにも桜ついてるよ!」


そう言って手を伸ばし、俺の髪に触れる。


「ほら、とれた」


……あぁ。


どうしたらこの距離は縮められる?


「晃ちゃん、大丈夫?」


「………」


主語がなくても、わかってる。


…でも、それはこっちのセリフだよバカ。


「いつも通りだよ」


そう。俺は別に苦じゃない。


「そっか」


心配なんてかけるつもりない。


……早く。


早く、大人になりたい。