「…はい、これ」


「ありがとー!」


赤いリボンのついた箱を、机の上に置く。


「開けていい?」


「……」


聞いても、無視して開けるのに。


案の定、優花はリボンをするすると外す。


「うわー…」


箱を開けて、それを見つめる。


「きれい。海にいるみたい」


視線はそれに釘づけらしい。


「晃ちゃん、ありがと」


「……ん」


やっと視線がぶつかった。


「すごく嬉しい」


そんなに喜んでもらえたなら、良かった。