「楽しかったの、兄ちゃん」
「…まあまあ」
「そう」
修学旅行から帰ってきた俺に、佑希は苦笑い。
こいつは、昔から俺を兄として見てる。
兄らしいことなんて、ひとつもしてないのに。
「佑希」
「ん?…って、うわ!」
いきなり投げた箱を、慌ててキャッチする佑希。
その中身は、クッキー。
甘いものが大好きで、お菓子とかよく食べて叱られている。
叱られても懲りずに食べているけど。
「ありがと、兄ちゃん!」
後ろから嬉しそうな声がした。
…母さんに見つかるなよ。
心の中で呟いてみた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…