「…さみ」
外はこんなに寒いのか。
体を少し縮めながら、早足で歩く。
「え、晃ちゃん!?」
久しぶりの訪問に、目を大きく開き驚いている。
「お邪魔します」
「あ、はい。…って、そうじゃなくて!」
ただ黙って、いつもの部屋へと向かう。
どすんと、ベッドに腰を下ろす。
「はぁー」
「ちょっと、晃ちゃん!」
「…何」
少し怒った顔の優花を見る。
「何、じゃないでしょ!何してるの!勉強は?」
「……」
母さんみたいなこと言わないでよ。
頭いたい。
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