「言ってなかったね。ごめんごめん。優花だよ」


「……優花」


「こらこら。呼び捨てはダメだよ!」


そう言って、笑う。


「お姉ちゃん」


「その響き、新鮮だなー」


嬉しそうに言うから、お姉ちゃんと呼ぶことにした。


「じゃあ、またね。」


「…ばいばい」


家への道を歩きながら、前にクラスメートの女の子が言ってたのを思い出した。



…私のお父さんがね、お母さんに会ったとき、一目惚れしたの。


…でね、再会してね、お父さんが告白したんだって。


…それからお付き合いして、結婚したの。


…運命って言ってたよ。


「……運命」


なんとなくだけど、その言葉の意味が少し分かった気がした。


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