「やっぱり。久しぶりだね」


その笑顔は、少しも変わっていなかった。


「最近、こっちに引っ越してきたの」


「そうなの?」


「うん。晃ちゃんはこの近くに住んでるの?」


「……」


答えるべきか、迷った。


お母さんに、家のことを話さないように言われてる。


「うん」


でも、お姉ちゃんは悪いことしないって思うから。


「そっか。今度、遊びに来てね」


お姉ちゃんがそう言って手を振る。


「お姉ちゃん、の名前は?」


勇気を出して、聞いてみた。