「晃ちゃん、いらっしゃい」 いつもと変わらず、あったかい笑顔。 「お姉ちゃん」 「おいで。一緒にあそぼう」 優しく手を引いてくれる。 唯一、心を開いている人。 …それは、迷子の僕を助けてくれたお姉ちゃん。 出会った日から、2年以上が経った今。 僕はこうして、お姉ちゃんといる。 お母さんは知らない。 きっと、怒るはずだから。 だから、言わない。 …お姉ちゃんと、もう会えなくなるのはいや、だから。