小学校、3年生。
自分の立場とか、なんとなく分かりはじめた。
お父さんは、有名な会社の社長。
仕事が忙しいのか、一緒に遊んだ記憶はない。
寂しいなんて思ったことはないけれど。
公園で、ある家族がそろって遊んでいる姿を見たら、とても羨ましいと感じた。
周りの人からは、避けられる存在。
僕の性格のせいなのか、それとも別に何かあるのか。
ふつうの小学校に通う、金持ちの子ども。
昔から、上手く仲間に入れない。
教室でも、どこか浮いた存在。
……学校って、楽しいものなの?
ふらふらと、自分の足が無意識に目指す一軒家。
インターホンを押して、じっと待つ。