あいつがいい。



「でも、晃ちゃん」


「…いいの」


今隣にいられるのだって、嬉しいんだからさ。


「…うん」


どうやら、やっと許してくれたらしい。


「晃ちゃん?」


「ん?」


「…ありがとう」


思わず抱きしめたくなって、触れようとした。


「…っ!!」


優花の驚きに、手が止まった。


「ごめん…なさい」


いや、優花は悪くない。


だから、泣きそうな顔しないて。