神楽弥は森の獣道を南に進んだ。
獣道に一輪の鮮やかな紫色の蘭の花が咲いていた。その蘭の花の香りはぞっとするくらい惹きつけられる香りの良い花だった。
ずっと観察していると、やたらと香りを嗅ぐ人が多いことに気づいた。