トラックから全ての荷物を、家の中へ運び入れ、後は荷ほどきだけとなった。
家の中に積まれた段ボールの量を見て、溜め息が出る。
まぁ…五人家族になるんだから、これくらいの量が普通か…
母さんと二人だけの荷物がトラックに積まれた時点でも、こんなにも荷物あんのかよと見るだけで嫌になる量だったのに。
朝から動き回っていたので、荷ほどきをする前に俺は庭先に座って少し休憩することにした。
春先の風は少し冷んやりしているけど、動き回って熱くなった身体を心地よく冷やしてくれた。
気持ち良いくらいの風に、目を閉じ、眠りそうになっていると……
「わぁっ!!」
ほっぺたに冷たいものがぶつかる。
「はは(笑)ごめん、びっくりした?(笑)はい、缶コーヒー。」
振り返ると、笑った優花が缶コーヒーを俺に差し出す。
どうやら、ほっぺたに缶コーヒーを押し当てられたらしい。
「びっくりした〜…寝かけてたもん、俺。」
そういいながら、缶コーヒーを受け取ると、優花はごめん、ごめんと笑いながら俺の隣に座った。
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