それから程なくして、引っ越し業者のトラックが来た。
トラックからたくさんの段ボールを家の中へと運んでいく。
「あ、優花、それ俺がやるから中で母さんの荷ほどき手伝ってやって。」
一つの段ボールを重たそうに持っていこうとする優花に声をかけた。
「あ、ユキちゃん。ありがとう。」
微笑んだ優花に、俺も笑顔を返して優花から荷物を預かった。
優花と会うのは、あの駅で偶然会った以来だった。
あの後、優花からお礼のメールがきて、何度かメールのやり取りをした。
優花のメールは、絵文字がたくさん入って可愛いメール。
文章に乗って、優花の声まで聴こえてきそうな気がした。
あれから例の男は、付きまとってくることはなく、無事に転校手続きも済ませ、この春から優花は俺の学校へと転校する。
なんだかワクワクする反面、晴やら他の男友達に冷やかされるんだろうなと思うと、
もうそのやり取りが想像できちゃうから、すでに若干疲れる。
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