長いキスをして、唇を離すと苦しかったのか優花は肩で息をしていた。


「……キスしてるときも息しろよ」


そう言ってやると、優花は悔しそうに俺を見上げる。


「……あんなキス……息、できない…」



ってまた可愛いこと言うから、俺は着ていたパーカーを脱いだ。


「……やっばぁ…俺、壊れそう…。
……壊れてもい?」


服を脱いだ俺に優花が「…えっ、ちょっ…ユキちゃん?!」って言った瞬間、俺は優花をベッドに押し倒した。


押し倒されただけなのに、襲われたみたいな顔するから、それが余計ヤバイんだけど。


「……もっと…息できないようなこと、してやろっか?」


押し倒した優花の両腕をギュッと握って、 もう数センチの距離で優花を見つめると、恥ずかしそうに優花も俺を見つめる。


「……声……出ちゃう……」

「…いいよ、別に。今、誰もいないし。……鳴きたいだけ、鳴けよ」


そう言って、ほんの少し触れるだけのキスをした瞬間ー……


ソロソロ……


微かではあるが、誰かが階段を登ってくる足音が聞こえる。

しかも、バレないように静かに。



キスを止めてた俺に、優花が「ユキちゃん?」って言うから俺は人差し指を口元に当て、しっー!と静かにするように促す。


ソロソロ歩いてくる音と並行して、俺はドアへと近づいた。