ヒートアップした晴が、ベッドにうつ伏せになっていた俺に馬乗りになるから晴の重さに悶えていると、携帯を取り上げられた。


それを見て、持田はまたバカ笑いしてる。


「…あっ!もう、返せよ、バカ」


取り上げた携帯の画面を晴はフムフムと眺める。


「……なんだ、透子じゃん。

なに?『栗原さんに、何したの?さっきから放心状態なんだけど。』だってー」


そう言ってニタニタ笑う晴の尻を思いっきり蹴って身体から押しのけると、晴は尻を抑えて「…痛い…」と言いながらも、俺の携帯はしっかりと握っていた。


「……優花ちゃんに何したのー?そこんとこ訊いてなかったけど♪」

「……別に…。フツーのこと。
あ、コーラ頂戴」


ベッドに座り直し、持田からコーラをもらうときに「フツーのことって何なのさ(笑)」と、持田にまで興味深々に訊かれる。

エロ本読んでた二人だから、スイッチが変な方向に入ってる。


………俺、今晩犯されるかもしんない。




「……フツーはフツーって」


コーラを飲みながら、まだ床に寝そべったままの晴を見下ろすと、晴は膨れる。


「…だから、フツーってなんなの?!もう、チューしたとか?!ユキのエッチ!」

「はぁ?付き合う前から観覧車で優花にキスしようとした奴に言われたくねぇんだけど!」


……先言っとくけど、これ、マジ喧嘩じゃねぇからね(笑)

あくまで、じゃれ合いなんで!(笑)

隣のベッドに座る持田はまたバカ笑いしてるし。


「いつの話してんだよ!そんな大昔のこと!」

「んなの、関係ねぇし!キスに時効とかないしなっ!」

「……ユキのムッツリスケベ!」

「……晴のど変態!」


そうこう晴と喧嘩のようなじゃれ合いをしていると、晴が持っている俺の携帯の着信音が鳴って、三人がビクッとなる。