風馬の背中を見ながら、溢れてくる涙に耐えきれなくてあたしはその場に崩れた。


まるで雨のようにこぼれ落ちていく涙は、しだいに砂浜を濡らしていく。


その涙に濡れていく砂浜を眺めながら思う。



何度も何度も、自分に言い聞かせる。



……これでいい。

……これが正解なの。


風馬や松丘くんが言うみたいに、周りの人からすれば、あたしのしてることは最低だ。


成宮くんを利用してるんだから。


……でも……


……でも……


もうこれ以上ユキちゃんを想わない為には、それしか思いつかなかった。


ユキちゃんから嫌われる方法しか思いつかなかった。


……あたしは……

絶対、ユキちゃんのこと…嫌いになれないもん……。



『……後悔することになってもしんねぇから』



「……後悔するに……っ…決まってる……じゃん……っ……」



後悔するのも、苦しくなるのも、

あたしだけでいい……。



……もう……


………これでいいんだよ……。