「わぁっ!」

「あ、ごめんなさい」


部屋の扉を開けると優花が立っていて、ビックリした。


「……ユキちゃんに先お風呂入ってもらおうと思って呼びに来たの。お風呂、沸いたよ」

「あぁ、ありがと。優花、先入ってもいいよ?」

「ううん、ユキちゃん先入って」


そうニッコリ笑って優花が言うからお言葉に甘えることにした。


「……じゃあ、あたし部屋で本読んでるね」と部屋へ行こうとした優花の手をギュッと握る。


俺に握られた手に「え?」と優花が驚いた瞬間、優花を引き寄せた。


……はい。

スイッチ入りましたよ、俺。



海辺ん時みたいに、優花の頭に顎を乗せる。


「……ゆ、ユキちゃ…ん……?」


少しだけ戸惑ったような、緊張したような優花の声。


「……風馬……もうちょっと遅くなるって…」

「……そ…そうなんだ…」


優花がなんとなく緊張してんのが伝わる。

それが伝わって俺の胸が熱くなる。


風馬や晴が言っていたことを試してやろうと思った。




……優花が、俺のこと好きなのかーーー。






「……なんか……風馬に訊いたんだけど……。……洗濯物干してる時、俺のパーカーにほっぺくっつけてたって。……それってどういうこと?」


優花の頭に乗せてた顔を少し移動させて、優花の耳元で囁いた。

優花の長い髪を指で絡ませてると、髪を触られてくすぐったいのか、優花がピクンって跳ねる。


あぁー……やっべ。

Sっ気出てきちゃった…。
優花、イジめてぇー……。



「え……あ、あれは……えっ…と……そ、その〜……」


しどろもどろになる優花が可愛くて、面白くて俺のSが加速する。


「……クンクン匂ってたとも言ってたけど…?」

「えっ……と……あ、あれはっ……違うの。あ、あのパーカー……すっごく肌触りいいしっ……気持ちいい素材だな〜って思って……匂ってたのは……柔軟剤の香りが良くてっ……」


なんか焦って一生懸命話してる優花。

……可愛い。