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時刻は8時。
夕食を食べ終わり、優花が後片付けをしてくれてる間、俺は優花に聞かれないようにこっそり風馬に電話をかけた。
『……はい、もしも〜し。もうヤッた?(笑)』
電話の主が俺だとわかっている風馬は、俺の声も訊かずに笑いながら電話をとる。
「うっせぇ、バカ。…なぁ、何時に帰ってくんだよ、お前」
『え〜……何時だろ?今、関口ん家でゲームしてんだけどさ。……ユキがまだヤリたいって言うんだったら、今日関口ん家泊まるけど?(笑)」
もう明らかゲラゲラ、バカにしたように笑う風馬がウザくて耳から携帯電話を少し話す。
「……うっぜ。ってか、もう帰ってきたら?」
『え〜…なんで?……ってか、まだヤッてねぇの?…ユキって意外にどんくせぇんだな』
口を開けば、エロばっかの風馬に若干嫌気がさす。
っんなの、ヤレんならもうヤッてっし!←
「……もう、その話いいからさぁ…帰ってこいっつーの」
溜息混じりにそう言うと、風馬は「あ、ちょっと待って」と俺に言う。
どうやら、隣に関口がいるらしく関口の部屋から離れた廊下に移動したらしい。
しばらくして「もしもし?」と俺に言った風馬の声がさっきとは違う真剣な声に訊こえた。
『……ユキさぁ……気にしすぎじゃね?』
さっきまで茶化してゲラゲラ笑っていた風馬とは違う声に、俺は少しビックリした。
「……何を?」
『……優花とのことだよ。いや、さっきは笑ったけどさ。…別にすぐヤれって言ってるわけじゃねぇんだけど…。普通に妹なんて思わないで好きって言えば?伝えんのは自由だと思うけど』
これはアドバイスととっていいのか?
さっきのゲラゲラ風馬とは全っ然違うんだけど。
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